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松林桂月は、山口県萩の出身で、上京後に野口幽谷に師事しました。渡辺崋山や椿椿山の流れを汲みながらも、近代的な遠近法を取り入れた写生を基に、独特の構図、筆致と技法を開拓して新しい南画の世界を築きました。昭和19年(1944)に帝室技芸員になっています。番外屋柳陰居屋図と名付けられたこの絵は、淡い色彩を重ねて、画面に独特の雰囲気を醸成し、秋が始まる頃の山々と樹々を巧みに表現しています。また風を演出する樹木の動きや朝霧の様子、景色を眺める人物や漁師も、時間の経過と壮大な空気を感じさせ、絵の中に大きな世界観が表現されています。桂月の鋭い感覚と到達した画境が感じられる秀逸な作品です。


















