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林藤八は有名な初代林又七の孫として享保八年(1723)に生まれて寛政三年(1791)に69歳で没しています。三代は又七の作風を墨守して謹直な作品を多く造り、かつては父の重光より名声が高かったとも言われています。在銘の鐔は「林又七三代目 林藤八作」と記した、御紋透が1点と「房吉作」の若銘が若干残るのみです。作品は、やや小ぶりなものが多く、どれも誠実な仕事ですが、又七のような突出した出来の鐔はほとんど見かけません。総じて平均点が高いのが特徴です。この鐔は、長丸形で内側を菊形に透かし、その中に、雪輪を透かし、それを繋ぐように雁金を配しています。この図は「神吉鐔絵本」に「雪輪雁金」として載っています。通常は、藤八の透かし際はやや丸くなるのですが、これは垂直で、又七を思わせるような、一分の隙もない実に素晴らしい仕事です。やや小ぶりですが、艶のある鉄色も緻密で美しく、構図も良く藤八の個性が横溢した作品です。茎穴の上下には「肥後金工録」で、藤八のタガネとされる特徴的な刻印が打たれています。








